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メタバースのためのウェアラブル(三)

更新日:7月20日

ウェートトランスファー編


アバター既存のウェートを衣装にうまく移すのは、場合によって手作業でも結構煩瑣になるアイテムが存在する。


さて、ウェート移転と言えば主流の3Dアプリに実装されたものが、最寄り頂点法、最寄り表面補間法、及びヴォクセルによる熱伝導シミュレーションといったアプローチが挙げられますが、果たしてフルオートマチックを耐えきれる方法は存在するんだろうか探っていくことに。


検証に用意したのは、Tシャツ、襟、二重ポケットを持つかなり多層仕立てのトップと裾の間の隙はわずか2ミリだけ空いているワイドパンツというかなり上級のチャレンジだ。

Aポーズをしているソースモデル



最寄り表面補間 Nearest Face Interpolation:

計算は最もシンプルで直感的。体のシェープぴったりした仕立ての服に最適だ。多層メッシュにも対応。その反面、くぼみのある部分の移転は弱く、頂点が一度間違えたボーンにバインドしたら、キャラにアニメーションをつけるとメッシュが引き延ばれ、目立つバグりに見えてしまう

裾がくっついてしまうとバグって見える。


ヴォクセル熱拡散 Voxel Heat Diffusion:

熱伝導の原理でヴォクセル化する衣装モデルでシミュレーションを行う。隣接していない部分はウェートは移らないので、四肢と体の間違えが最寄り表面補間より良い結果を出せるように期待できるだろう。


実際行った結果、ジョイントの間のウェートの移行はスムーズになったものの、その範囲の制御が難しいのでボディからウェートを継続する効果が弱いみたいだ。両足の間の隙も


アバターと衣装ともリギングされてないタスクには適しているが、すでにリギング済みのボディーから衣装に移転するのは実用的ではないみたいだ。


仕立てが洋服から袴になってしまう


修正円滑化焼き付け Corrective Smooth Baker:

後処理として、最寄り表面補間、Corrective Smoothで過剰変形な部分を検出しグループウェートで不適切なアサインメントを解決。結果としてはくっつく部分はやわらげたが、副作用として多層仕立ての生地のウェートの一貫性が壊されてしまいます。



独自メソッド


近傍過変形リプレイスメントAdjcent Over-deformed Refinement:

再帰的に過変形の部分を検出して連続的な近傍メッシュからウェートを上書きするプロセス。すっかり両足のくっつく問題を解決できたが。


と思いきや、連続性を優先させることで、女性キャラの胸の部分は両足のように分立されるものとして認識されてしまい、一貫性が逆に壊れてしまった。また、ポケットなど表面付着オブジェクトは服装の表面から飛んでしまうことがある。


ダブルブレストの一貫性がガタ落ちてしまう


双方向セグメント投影Bi-directional Segment Projection:

ズボンのすそのこんなにくっついているにもかかわらず、くっつくことなくウェート移転を実現。また、セグメント、関節部の柔らかさもより忠実。実行時間が短いのに付着オブジェクトの連続性も堅牢。


ここまでの実装により、衣装をCADアプリからフルオートマチックパイプラインによって、メタバースのアセットとして成立し、業界では1アイテムあたりに70時間強の手作業を省いています。

Mixamoによるモーションを適用
DMKTZでのデザインをUGCとして作られた


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